トーベ・ヤンソン「ムーミン谷の仲間たち」

トーベ・ヤンソンの「ムーミン谷の仲間たち」を読了.
「ねぇ,ムーミンこっち向いて」の歌でおなじみのムーミントロールの話.9つの作品がある短編集.ムーミン一家以外のメンバーが主人公になっているものが多い.


子供の頃はグリムとかアンデルセンとかの全集や世界の昔話なんかも読んでいたが,ムーミンは縁のない話だったようだ.
ムーミンは多分読んだことが無くて,アニメも見た気がするのだけど,子供子供した大したことがない話だ(他の昔話はもっとどぎつかったため)と思ったことをおぼろげながら記憶しているだけだった.かろうじて「ねぇムーミン」で始まる歌ワンフレーズ歌えるくらいだ.
たまたま古本屋で買って読んでみたら,たいそう面白かった.
子供に読み聞かせるような語り口だが,内容の子供への妥協と大人の我が侭のバランスが良いと思った.
この本を読んで一番の収穫だと思ったのは「にょろにょろ」の生態が見えたこと.てっきり植物かと思ってた.

ムーミン谷の仲間たち (講談社文庫)

ムーミン谷の仲間たち (講談社文庫)


これは,昔読んでいたグリム童話.子供ながら「子供に何見せてんだ」と言うくらいどぎつかった.残虐描写ふんだんな本.物語がいい話ばかりではなく,主人公にもやばいところがあると気づいた本.グリムにしてもムーミンにしても,世間や人に対するどうしようもなさというのがあるように思う,これは童話の主要な機能かも知らん.
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