読了

「シベリア超特急FINAL」最終回

秋田書店のサスペリアミステリーで、水野晴郎原作・長尾文子作画の「シベリア超特急FINAL」を連載していたのが、7月号が最終回だった。 sor_aは映画では見たことがなくて、1と5を長尾氏の漫画で見てたのだけど、このシリーズはよくわからないなと思った。奇…

フィリップ・K.ディック「マイノリティ・リポート―ディック作品集」

フィリップ・K.ディックの「マイノリティ・リポート―ディック作品集」を読了。 短編集。 この本にはトム・クルーズ主演の映画にもなった表題作や、シュワルツェネッガー主演の『トータル・リコール』の原作「追憶売ります」などが入っている。 各作品のタイ…

森博嗣「タカイ×タカイ」

森博嗣の「タカイ×タカイ」を読了. Xシリーズの3作目. マジシャンである牧村の自宅で死体が発見された.その死体はポールの上に高く上げられていた.この奇妙な光景を見た芸大生真鍋は,誰が,何故,このような行動をしたのかという謎を解こうとする. シ…

拓未司「禁断のパンダ」

拓未司の「禁断のパンダ」を読了。 第6回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。 神戸の新進気鋭のシェフ、コウタが妻の付き添いで木下の結婚式に行く。結婚式の食事で木下の祖父であり有名な料理評論家でもある中島と知り合う。一方、結婚式の翌日木下の…

カズオ イシグロ「わたしを離さないで 」

カズオ イシグロの「わたしを離さないで 」を読了。 長編小説。 カズオイシグロの本は以前、日の名残り (ハヤカワepi文庫)を読んでいて今回で2冊目。 「日の名残り」はイギリスの老執事のお話で、今回は31歳の女性であるから違うのだけれど、似た感じだった…

エラリイ・クイーン 「最後の一撃」

エラリイ・クイーンの 「最後の一撃」を読了。 長編推理小説。 1905年、出版社社長夫婦が自動車事故で死亡。妻は妊娠中で事故のショックで二人の子供を産みおとした後死亡。夫は2番目の子供を呪い、1番目の子供だけを認知し2番目を医者に渡す。 25年後(1930…

中村吉右衛門「半ズボンをはいた播磨屋」

中村吉右衛門の初エッセー集の「半ズボンをはいた播磨屋」を読了。 以前読んだ雅楽シリーズ(こことか,ここ)を読んで歌舞伎関係者の本が読みたくなって購入。 わたしは中村吉右衛門を歌舞伎役者としては勧進帳の弁慶しか知らないで、時代劇での鬼平犯科帳ば…

森博嗣「探偵伯爵と僕」

森博嗣の「探偵伯爵と僕」を読了。 夏休み僕は探偵を名乗る伯爵アールに出会う。夏祭りの夜僕の友達のハリィが行方不明になる。僕と伯爵はハリィの行方を捜すが、さらにもう一人行方不明になる。 著者が今までの作品でよく使ったネタがまた見られた。その内…

大藪春彦「探偵事務所23」

大藪春彦の「探偵事務所23」を読了。ハードボイルド短編集。 23は巻数ではなく、主人公田島の探偵事務所の名前で東京23区のことらしい。 探偵の田島はオリンピックの選手になれるくらいに射撃の名手だ。彼が、警察や客の依頼によって、様々な悪党の元に潜入…

仁木悦子「猫は知っていた」

仁木悦子の処女作「猫は知っていた」を読了。高校時代、古本屋で50円で購入したものを再読。作家として初の乱歩賞受賞作品で当時は作家が病弱な女性であることで話題になったそうだ。 仁木悦子・雄太郎兄妹が主人公で彼らの下宿先で起こる殺人事件の話。 仁…

海堂尊「チーム・バチスタの栄光」

海堂尊の「チーム・バチスタの栄光」を読了. 今度映画にもなる小説で,第4回「このミステリーはすごい!」大賞の受賞作. 受賞当時,現役のお医者さんが書いたミステリで有名になったこと,それと審査員の人がべた褒めだったのを覚えている. それで,「現…

デイヴィッドハンドラー「殺人小説家」

デイヴィッドハンドラーの「殺人小説家」を読了。シリーズものの長編推理小説。 この作品で初めて読んだが、たぶんこの作品だけでも楽しめると思う。 主人公は元小説家で現ゴーストライターで女優の元夫で(現恋人?)、女優の子の父親、学生時代は陸上の選…

渡辺浩弐「1999年のゲーム・キッズ 」

渡辺浩弐の「1999年のゲーム・キッズ 」を読了。 SFショートショート集。 1994年にファミ通という雑誌で連載されたものだそうで、売りが1999年に起こっているだろうことを描くという近未来予測。1994年当時はその手の話題に興味がなかったのでこれが当時どれ…

エラリィ・クイーン「Zの悲劇」

エラリィ・クイーンの「Zの悲劇」を読了。 長編推理小説。若い女性の一人称で書かれる。殺人犯人とされる人物の無実を証明するという立場から、事件を解く裁判サスペンスの趣もある。 最後の仕掛けの時間ぎりぎりの謎解きはハラハラして面白かった。最後の…

山田真哉「女子大生会計士、はじめました藤原萌実と謎のプレジデント」

山田真哉の「女子大生会計士、はじめました藤原萌実と謎のプレジデント」を読了。 シリーズの短編集の4冊目 女子大生会計士の萌実(探偵役)と新米会計士の柿本(ワトソン役)が監査先の事件を解く。この作品では、新米会計士時代の萌実の話もあって、シリー…

西村京太郎 「殺しの双曲線」

西村京太郎の「殺しの双曲線」を読了。 長編推理小説。 これも、作者の初期の作品。 作者が始めにメイントリックであると宣言している通り、ノックスの十ヵ条の「双子トリック」を主題とした本格派ミステリーだった。 東京で双子の強盗犯が現れる一方、雪山…

西村京太郎「名探偵なんか怖くない」

西村京太郎の「名探偵なんか怖くない」を読了。 長編推理小説。 大富豪の佐藤が3億円事件の犯人を作りだし、観察するというゲームをはじめた。オリジナルの犯人の特徴と呼ばれるモノを持った青年村越がターゲットとして選ばれ、お膳立てされたまま罠とも知ら…

ジョン・ディクスン・カー「火刑法廷」

ジョン・ディクスン・カーの「火刑法廷」を読了。 密室モノの長編推理小説。妻と似過ぎた、17世紀に死刑となった毒殺犯の写真を、有名作家の原稿で見つけてしまった主人公。疑心暗鬼になってしまう主人公と怪しげな言動を行う妻のぎこちない雰囲気の中、さら…

麻耶雄嵩「蛍」

麻耶雄嵩の「蛍」を読了。 館モノの長編推理小説。肝試しサークルのOBが買った曰く付きの屋敷「ファイアフライ館」でサークルの合宿を行う。曰くとはここの前の所有者は6人の仲間を一晩で惨殺し、さらに彼自身亡くなっていることだ。現所有者によってその様…

宇江佐 真理「聞き屋与平―江戸夜咄草」

宇江佐 真理の「聞き屋与平―江戸夜咄草」を読了。大店の隠居を主人公とした時代小説短編集。 隠居生活に厭いた与平は、聞き屋を始めた。聞き屋とはお客の話を聞く商売。相槌を打ったり、話を促したりするが、お客の話を聞くのがメインの仕事。 家族やお客や…

横山秀夫「顔」

横山秀夫の「顔」を読了。 若い婦警を主人公とした警察小説の短編集。 昔ドラマにもなった。 過去に不祥事があった主人公が、色々な部署に配属される話。 この作者はリアリティのある警察を描くときいた。そのせいか、実際の婦警さんは知らないからリアルか…

ジェイムズ・P・ホーガン「星を継ぐもの」

ジェイムズ・P・ホーガンの「星を継ぐもの」を読了. 長編近未来SF小説. ホーガンのデビュー作でシリーズものの第1作. ハードSFというジャンルでは古典的な名作だそうだ. 近未来,宇宙に目を向けた地球人たちが,月で発見した男性死体. 5万年前に死んだ…

松本清張「点と線」

松本清張の「点と線」を読了. 長編推理小説.社会派の推理小説作家であった松本清張のデビュー作.汚職事件の重要人物が女性と情死した事件を追う東京の刑事さんが謎を解く話. 松本清張は歴史上の人物という感じが強く,今まであまり興味を持てなかったの…

トーベ・ヤンソン「ムーミン谷の仲間たち」

トーベ・ヤンソンの「ムーミン谷の仲間たち」を読了. 「ねぇ,ムーミンこっち向いて」の歌でおなじみのムーミントロールの話.9つの作品がある短編集.ムーミン一家以外のメンバーが主人公になっているものが多い. 子供の頃はグリムとかアンデルセンとか…

柴田よしき「求愛」

柴田よしきの「求愛」を読了。 女流作家のサスペンスミステリー。火サス的だと思った。求愛作者: 柴田よしき出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2006/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る

森 昭雄「ゲーム脳の恐怖」

森 昭雄の「ゲーム脳の恐怖」を読了。 いわゆるトンデモ本。 話だけは聞いてトンデモだということは推測出来たけど何言ってるか分からなかったので、読んでみた。ものすごく素直に読んでみたら この人の調査が全て正しかったとしても、「ゲーム脳」って全然…

スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」

スタニスワフ・レムの「ソラリスの陽のもとに」を読了. 最近SFにチャレンジ中なのと古本屋で105円で売っていたので買ってみた. SF小説らしいと言うことだけは解っていたが,情報を集めてみると古典らしい. ソラリスという架空の惑星との生物「海」と人類…

松井 今朝子「銀座開化おもかげ草紙」

松井 今朝子の「銀座開化おもかげ草紙」を読了.明治初期の銀座煉瓦街を生きる士族の短編集. 文明開化を良しとせずに,どんどん変わっていく世の中を冷笑混じりで見つめ,立ち止久保田宗八郎が文明開化に期待を寄せる若い人々に巻き込まれていく話.銀座開…

新井素子「グリーンレクイエム」

新井素子の「グリーンレクイエム」を読了. SFはあまり読んでこなかったが,最近少しずつ読もうとしている. これはその1冊. 新井素子は,日本の有名な女性SF小説家としか知らなかった.しかし,以前週刊ブックレビューのインタビューを見て,ご本人はなか…

北川 哲史「北町裏奉行シリーズ俎板橋土蔵相伝事件」

北川 哲史の北町裏奉行シリーズ第2弾「俎板橋土蔵相伝事件」を読了。時代小説の短編集。 田沼意次の時代に実在した北町奉行の曲淵景漸を主人公としている。彼と部下が事件を解決していく。刑事もの北町裏奉行 俎板橋土蔵相伝事件 (だいわ文庫)作者: 北川哲史…