ミステリ

森博嗣「タカイ×タカイ」

森博嗣の「タカイ×タカイ」を読了. Xシリーズの3作目. マジシャンである牧村の自宅で死体が発見された.その死体はポールの上に高く上げられていた.この奇妙な光景を見た芸大生真鍋は,誰が,何故,このような行動をしたのかという謎を解こうとする. シ…

拓未司「禁断のパンダ」

拓未司の「禁断のパンダ」を読了。 第6回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。 神戸の新進気鋭のシェフ、コウタが妻の付き添いで木下の結婚式に行く。結婚式の食事で木下の祖父であり有名な料理評論家でもある中島と知り合う。一方、結婚式の翌日木下の…

エラリイ・クイーン 「最後の一撃」

エラリイ・クイーンの 「最後の一撃」を読了。 長編推理小説。 1905年、出版社社長夫婦が自動車事故で死亡。妻は妊娠中で事故のショックで二人の子供を産みおとした後死亡。夫は2番目の子供を呪い、1番目の子供だけを認知し2番目を医者に渡す。 25年後(1930…

森博嗣「探偵伯爵と僕」

森博嗣の「探偵伯爵と僕」を読了。 夏休み僕は探偵を名乗る伯爵アールに出会う。夏祭りの夜僕の友達のハリィが行方不明になる。僕と伯爵はハリィの行方を捜すが、さらにもう一人行方不明になる。 著者が今までの作品でよく使ったネタがまた見られた。その内…

仁木悦子「猫は知っていた」

仁木悦子の処女作「猫は知っていた」を読了。高校時代、古本屋で50円で購入したものを再読。作家として初の乱歩賞受賞作品で当時は作家が病弱な女性であることで話題になったそうだ。 仁木悦子・雄太郎兄妹が主人公で彼らの下宿先で起こる殺人事件の話。 仁…

海堂尊「チーム・バチスタの栄光」

海堂尊の「チーム・バチスタの栄光」を読了. 今度映画にもなる小説で,第4回「このミステリーはすごい!」大賞の受賞作. 受賞当時,現役のお医者さんが書いたミステリで有名になったこと,それと審査員の人がべた褒めだったのを覚えている. それで,「現…

デイヴィッドハンドラー「殺人小説家」

デイヴィッドハンドラーの「殺人小説家」を読了。シリーズものの長編推理小説。 この作品で初めて読んだが、たぶんこの作品だけでも楽しめると思う。 主人公は元小説家で現ゴーストライターで女優の元夫で(現恋人?)、女優の子の父親、学生時代は陸上の選…

中村雅楽探偵全集

ここで紹介した中村雅楽探偵全集. いつの間にか最終巻が出ていた. この作者は亡くなられているので,最後は本当に最後なんだと思うと,切ない限りだが… 欲しい! 今のところ読んでないのは子の2冊. メモ代わりに.劇場の迷子―中村雅楽探偵全集〈4〉 (創…

エラリィ・クイーン「Zの悲劇」

エラリィ・クイーンの「Zの悲劇」を読了。 長編推理小説。若い女性の一人称で書かれる。殺人犯人とされる人物の無実を証明するという立場から、事件を解く裁判サスペンスの趣もある。 最後の仕掛けの時間ぎりぎりの謎解きはハラハラして面白かった。最後の…

山田真哉「女子大生会計士、はじめました藤原萌実と謎のプレジデント」

山田真哉の「女子大生会計士、はじめました藤原萌実と謎のプレジデント」を読了。 シリーズの短編集の4冊目 女子大生会計士の萌実(探偵役)と新米会計士の柿本(ワトソン役)が監査先の事件を解く。この作品では、新米会計士時代の萌実の話もあって、シリー…

西村京太郎 「殺しの双曲線」

西村京太郎の「殺しの双曲線」を読了。 長編推理小説。 これも、作者の初期の作品。 作者が始めにメイントリックであると宣言している通り、ノックスの十ヵ条の「双子トリック」を主題とした本格派ミステリーだった。 東京で双子の強盗犯が現れる一方、雪山…

西村京太郎「名探偵なんか怖くない」

西村京太郎の「名探偵なんか怖くない」を読了。 長編推理小説。 大富豪の佐藤が3億円事件の犯人を作りだし、観察するというゲームをはじめた。オリジナルの犯人の特徴と呼ばれるモノを持った青年村越がターゲットとして選ばれ、お膳立てされたまま罠とも知ら…

ジョン・ディクスン・カー「火刑法廷」

ジョン・ディクスン・カーの「火刑法廷」を読了。 密室モノの長編推理小説。妻と似過ぎた、17世紀に死刑となった毒殺犯の写真を、有名作家の原稿で見つけてしまった主人公。疑心暗鬼になってしまう主人公と怪しげな言動を行う妻のぎこちない雰囲気の中、さら…

麻耶雄嵩「蛍」

麻耶雄嵩の「蛍」を読了。 館モノの長編推理小説。肝試しサークルのOBが買った曰く付きの屋敷「ファイアフライ館」でサークルの合宿を行う。曰くとはここの前の所有者は6人の仲間を一晩で惨殺し、さらに彼自身亡くなっていることだ。現所有者によってその様…

横山秀夫「顔」

横山秀夫の「顔」を読了。 若い婦警を主人公とした警察小説の短編集。 昔ドラマにもなった。 過去に不祥事があった主人公が、色々な部署に配属される話。 この作者はリアリティのある警察を描くときいた。そのせいか、実際の婦警さんは知らないからリアルか…

松本清張「点と線」

松本清張の「点と線」を読了. 長編推理小説.社会派の推理小説作家であった松本清張のデビュー作.汚職事件の重要人物が女性と情死した事件を追う東京の刑事さんが謎を解く話. 松本清張は歴史上の人物という感じが強く,今まであまり興味を持てなかったの…

柴田よしき「求愛」

柴田よしきの「求愛」を読了。 女流作家のサスペンスミステリー。火サス的だと思った。求愛作者: 柴田よしき出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2006/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る

佐野洋「白い刑事」

佐野洋の「白い刑事」を読了. 冤罪をテーマにしたシリーズものの推理短編集. 相撲好きの女―白い刑事 (中公文庫)の文庫本化.未収録作品も含まれる. ベテランの弁護士のもとに,奇妙な刑事が助けを求めにやってくる.彼は容疑者の無罪を信じており,自白を…

北森 鴻「メイン・ディッシュ」

北森 鴻の「メイン・ディッシュ」を読了。劇団女優紅林の同居人であり、魔法の様な料理を作るミケさんを主人公にした推理連作集。 連作は、短編集の形式だが、その短編が積み重なって、最後には違うもう一つの話が浮かび上がるという一粒で二度美味しい形態…

乃南 アサ「駆けこみ交番」

乃南 アサの「駆けこみ交番」を読了。 新人のおまわりさんを主人公とした短編集。 面白かった。駆けこみ交番 (新潮文庫)作者: 乃南アサ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/08/28メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 23回この商品を含むブログ (18件) を見る

浦山 明俊「東京百鬼―陰陽師・石田千尋の事件簿」

浦山 明俊の「東京百鬼―陰陽師・石田千尋の事件簿」を読了。 現代の陰陽師と呼ばれる石田千尋氏をモデルにした伝奇物の連作集。 注)以下はリアルの石田氏を知らず、かつメディアでも見たことがなく、この本で初めて氏の存在を知った人間がこの本の感想を書…

黒崎緑「揺歌」

黒崎緑の「揺歌」を読了。 古本屋の88円本コーナーで購入。昔読んだ「しゃべくり探偵」の人だと思ったのでその作風を期待して読んだが、全然違う感じだった。 不思議な力をもつロックスターのリュウを、運命的な出会いをした女子高生が助けようとする話。作…

鯨 統一郎「月に吠えろ!―萩原朔太郎の事件簿」

鯨 統一郎の「月に吠えろ!―萩原朔太郎の事件簿」を読了。 詩人萩原朔太郎を主人公とした大正時代を舞台にした推理短編集。 書き手は室生犀星。私(室生)が、行動を共にした探偵趣味の詩人萩原の詩的インスピレーションに基づく推理を記述しているという形式…

大倉嵩裕「白戸修の事件簿」

大倉嵩裕の「白戸修の事件簿」を読了。 短編集。 お人好しの大学生が厄介事に巻き込まれ、問題が発生し、解決される話。例えば殺人犯にされると警察に追われた友人がやって来て、真犯人を探すために掏りを探し回ったり、銀行で預貯金に間違いがあり待ってい…

戸板康二「目黒の狂女」

戸板康二の「目黒の狂女」を読了。 老歌舞伎役者の中村雅楽を主人公とする全集の3冊目。歌舞伎世界を舞台にしたミステリ短編集。雅楽は衰えない好奇心と観察力、他者への気配りによって歌舞伎界の多くの人に敬愛されている名優だ。そんな彼の元には歌舞伎の…

岡田 斎志「枯れてたまるか探偵団 」

岡田 斎志の「枯れてたまるか探偵団 」を読了. ユーモアミステリ長編. 「枯れて」から判るとおり,老人が主人公のミステリ. 北見けんいち(釣りバカ日誌の絵)の表紙が面白い.枯れてたまるか探偵団 (小学館文庫)作者: 岡田斎志出版社/メーカー: 小学館発…

佐野洋「歩け、歩け」

佐野洋の推理小説短編集「歩け、歩け」を読了。初めてこの人の本を読んだ。とても息の長い作家らしく、1928年生まれでいまだ現役らしい。1964年から2005年までの作品が載っている。テーマや主人公が決まっているわけでは無く未収録作品を載せたというものら…

都筑道夫著『退職刑事6』

都筑道夫著『退職刑事6』創元推理文庫を読了した。偶然この本に出会い何とは無しに手に取った為、邪道ながら6巻目から読むことになった。とは言っても短編集だったので途中までシリーズものだと気付かなかっただけだ。西澤保彦の論評によると最終巻のようだ…

泉 忠司/晴香 葉子「心理カウンセラー晴香葉子の解決事件簿」

泉 忠司/晴香 葉子の「心理カウンセラー晴香葉子の解決事件簿」を読んだ. 携帯サイト「Legimo」で人気らしい. 私にとっては,初のケータイ小説だった. 心理カウンセラー晴香葉子と淡い恋愛未満(?)にあるらしい,警部補泉が殺人事件に当たり,晴香が心…

泡坂妻夫 「蚊取湖殺人事件」

泡坂妻夫の「蚊取湖殺人事件」を読んだ. 短編集.シリーズものではなく,それぞれ独立した主人公の話の集まり. この人は推理小説家だと思っていたけど,そうではない作品もあって驚いた. 本格といえばそうだけれども,シュールだなぁというのが正直なとこ…