西村京太郎 「殺しの双曲線」

西村京太郎の「殺しの双曲線」を読了。
長編推理小説
これも、作者の初期の作品。
作者が始めにメイントリックであると宣言している通り、ノックスの十ヵ条の「双子トリック」を主題とした本格派ミステリーだった。


東京で双子の強盗犯が現れる一方、雪山の山荘では殺人事件が起こる。
二つの平行に進むように見える事件は、やがて一つに絡みあう。


「名探偵なんか怖くない」で出てきたトリックの使い回しや、もにょもにょするラストは少しがっかりした。しかし、謎が解ければ良いと言うのではなく、犯罪の立証という視点まで入れたところが本格派としてはチャレンジングで面白かった。

また、この作品でもネタバレがあるので注意
山荘の事件では、クリスティの「そして誰もいなくなった」が用いられており、トリックが書かれているので未読の方でネタバレは我慢できないと言う方は先にクリスティのを読んだ方が良い。

殺しの双曲線 (ジョイ・ノベルス)

殺しの双曲線 (ジョイ・ノベルス)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)