松本清張「点と線」

松本清張「点と線」を読了.


長編推理小説.社会派の推理小説作家であった松本清張のデビュー作.汚職事件の重要人物が女性と情死した事件を追う東京の刑事さんが謎を解く話.


松本清張は歴史上の人物という感じが強く,今まであまり興味を持てなかったので彼の本は読んだことがなかったが,昔のミステリに興味を持ったので,ミステリ史の本として読んだ.社会派と言うことで,説教臭いというか主張が強いのかと思ったが,少なくともこの本はそうでもなかった.


また,この時代(昭和30年代)というのが,どういう時代であったのか,どういうものが有って,どういうものが無かったのかが解らなかったので,少し苦労したが,歴史小説のようで面白かった.
考えてみれば,私がリアルで知っている最も古い社会的事件が「リクルート事件」なので(事件がというより,こんな変な名前で何を売っているか解らない会社が世の中にあるということが当時7歳の私にはショックだったようだ),こんなに古くから同じ構図の事件があったのだよなと思うとそれも面白い.


点と線―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-4))

点と線―長編推理小説 (カッパ・ノベルス (11-4))