創作「水からの伝言」の恐怖2

私はまず情報を集めないといけませんでした。そのためにインターネットでいくつかのサイトを見ました。


まず、夫が薦めていた大学の先生のものを見ました。これは、大体夫の言っていた事と同じでした。だから、夫が私を殺しても真実が明らかになり罰せられることは絶望的だということがわかりました。でも、未だ証明されていないことと真実かどうかは違います。証明できなくても、真実ならおこるでしょう。そして夫が実際にやっていたということは、夫はおこるということを知っているのです。そう考えると否定している人には、勿論今までの知識に溺れて真実が見えなくなっている人もいるのでしょうが、夫のように何かを企んでいてアリバイ的に主張しているのかもしれません。
ただ正直なところ、科学的に証明されるかどうかは私にはどうでもよいことです。一般的な事実であると証明されてもされなくても、私の場合におこるかどうかが問題だからです。


インターネットでは、また多くの体験談を知りました。人に対して行われたものは少なかったのですが、ご飯や牛乳などではやはり「バカヤロウ」という言葉をかけたものは腐っていました
そして一番の収穫は「バカヤロウ」はまずかけた当人(家の場合は夫ですが)の体内の水を汚くするということです。つまり、夫は自分の命をかけて私を殺そうとしているということなのです。いいえ、夫はこのことに気付いていないのかもしれません。
それならなおさら私達夫婦の平和と命を守るのは私にしかできないことになります。


でも一体どうすれば、良いのでしょうか?
最初は夫に今朝の話をして、止めてもらうことを考えました。たとえ自分がしたことを認めなくても、私にばれている事を知れば、止めると思ったからです。
でも、お恥ずかしい話ですが、夫は私を馬鹿にしています。少なくとも馭しやすい人間だと思っています。適当なことを言って私を騙すかもしれませんし、他の私により気付かれない方法をとるかもしれません。そうしたら、お手上げです。
「離婚」は問題外です。私は夫を愛していますから。夫にとっても、本当に良いのは私なんですから。これは一時の気の迷いに決っています。困難なときにこそ愛が試されるのです。だから、「離婚」は駄目です。


夫を止めることも、逃げ出すことも無理となると私はどうしたら良いのか…


考えているだけで、時間は過ぎてしまいました。この日の夜も夫は優しかったです。いつも優しいのは優しいのですが、なんだかいつもより顔が穏やかで、笑顔なときが多いように思いました。
やはり夫は私を殺そうとしているのでしょう。とても悲しくなりました。
私は悲しみのまま、ベッドに入りました。眠ってしまったら夫がまた「バカヤロウ」と言いにくるのかと思うと、怖くて眠れませんでした。でも何故かその日はすぐに眠ってしまい、目覚し時計がなっても起きられず先に起きた夫に起こされました。起きたとき、全身が異様に疲れていました。
慌てて簡単な朝食を作って夫を送り出してもまだ身体の疲れがとれず、ぼーっとした感じが抜けませんでした。この日は夫の「バカヤロウ」を聞いていませんが、きっと夫はやったのでしょう。私のこの疲れが「バカヤロウ」の成果なんだと思います。
現実に問題がおきてしまったのです。急がなくてはいけなくなりました。

いろいろ考えてみましたが私がしなくてはならない事は夫がしていることを無効化するしかありません。
無効化の方法はやはり「水からの伝言」が良いでしょう。つまり、夫の「バカヤロウ」を上回るくらい綺麗な言葉をかければ良いのです。そうすればきっと、綺麗な水に戻り、私達夫婦の平和と命を守ることができる筈です。




また、長くなってしまいました。よく夫にも話がくどいと言われるのです。次こそ私がどのように綺麗な言葉を夫にかけたかをお教えします。