[映画]ベンジャミン・バトン数奇な人生
ブラッド・ピッド主演のこの映画は,
生まれてすぐに老人ホームに捨てられた,年を重ねる毎に見た目が若返る男の一生の話.少女と出会い,恋をして,仕事をして…という中でどんどん若返っていく.
この映画に行った理由の一番は,穏やかなものが良いと思ったからだった.
そしてそれはとても満足できた.
WW1終戦後からの激しい時代を生きて色々なアップダウンはあったわりに終始落ち着いた印象を受けた(回想だったからかもしれないし,BGMとかそういうのかもしれない).
それに,笑えるシーンは1カ所もなかったのも良かった(しかし,これは私が見たのが200席近くある場所に7,8人の観客だったので,笑いがおこらなかったのかもしれない).この話は主人公の家が老人ホームであることもあって,よく人が死ぬのだけど,老齢の(死が予期される)人が死ぬのは,普通な事であるだけに地味なダメージを受けて,笑う気力もなくなるからだ.
そういう意味でこの映画は笑いとか感動とか興奮とか衝撃とかそういう無駄に疲れるものがなく,ただただダメージを受けられる映画だった.
またこの映画を見に行った理由として他に,設定に関して興味がある物があった.それは
- 見た目は子供中身は老人というのがどんな顔(表情)か見てみたい
- 若返るという設定で,怪我をするというのはどう表現されるのか見てみたい
ということだったのだけれども,結果的に言うとどちらも見られなかった.1つめは話の流れを絡めるとまあそういうものかという理由だった.2つめはそもそもこれはそういう類の話ではなかったようだ.
この映画を見た感想としては,「奇妙と言うより普通の一生」
「主人公の設定(若返る)はいらない」というのがメッセージなんだと思った.老人ホームに捨てられた障害(とはいえないけど,人とは違う何か)をもった男の一生は,しばしば不便で困難があるけど,周りが良ければ大体普通に過ごして,そして終えられるということかと.
でもそれは,私が「見た目の若さ」に対してそれほど価値を重くおいていないからかもしれない.介護するには小さい方が楽で良いよなとぐらいしか思っていなかったのだけど,どうも主人公の恋人を見ているとそういうレベル以外の何かで「見た目が老いていく自分」と「見た目が若返っていく主人公」のギャップに悩んでいるようだった.そこら辺がよくわからなかった.
ええと,ダウナー系で癒し系な映画を見たい方にお勧めだと思います.
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